「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」に内容が絞られていること、そして必要な要素を一通り俯瞰できる内容構成となっているため、上司が考えたメッセージを資料化する等、初めてパワポ資料を作成する初学者には最適な入門書となっている。本書で概要を押さえた上で「マッキンゼー流図解の技術」でより具体的に深耕すれば、スライド作成の要点は網羅できるのではないか。
それでも個人的には、優れたスライドを見て、自分で手を動かして作ってみて、優秀な同僚に指摘を受けて修正する、というサイクルを回す以外にスライド能力伸長の手段は無いと思っている。高いプレッシャーという加速装置も加わった上で、そのサイクルを回す環境が整備されていることが、コンサルティングファームの異常に高いスライド作成能力を後押ししている。
コンサルタント時代に実感したが、本書が好調な売れ行きを見せていることを鑑みると、スライド作成に必要性と課題を感じている実務家は少なくないのだろう。まず手に取るべき一冊目としてお勧めです。
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック 山口 周 東洋経済新報社 2012-11-01 売り上げランキング : 183 Amazonで詳しく見る by G-Tools |