2010年5月10日月曜日

三本の矢を放て

本日得た現在共に働いている凄腕の先輩からのアドバイス。
「目的達成のためには、最低でも三本の矢を放たなきゃダメだよ」

お客さんに施策を提案する時に松、竹、梅といった
インパクト/コストの異なる3案を提示することがあります。
施策の網羅感を示し不測のリアクションを避けるためです。
そのように複数のアプローチを並行的に用意して目的達成を目指すことは
自身の日々のタスクのこなし方でも言えるのですね。

オプションを静かに切り札として持っておく場合もありますが、
切り札の最も幸福な使い道は使わないで済むことです。
(名言「切り札は先に見せるな。見せるなら更に奥の手を持て。」を引くまでもなく。)

弓道をしている身としては一射必中を狙いたくなりますが、
一矢射て射抜けるのは弓道場のような静的な環境だからです。
ビジネスという動的な環境ならば、
常に三本放つくらいの慎重さで然るべきでしょう。

2010年5月5日水曜日

STRANGE JOURNEY

いろいろと画策したGWですが、
結果仕事以外で最も注力したのはNintendo DSプラットフォームのRPGゲーム、
「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」でした。

所詮ゲームと侮ることなかれ。
体験しないことは人生の少なくない損失の一つと言えるでしょう。
まだ序盤ですが、本当に面白い・・・

本作は女神転生シリーズというシリーズものの作品の最新作です。
大筋は例によって以下のようなものなのですが、
・世界が崩壊の危機に瀕している。
・選ばれた(結果として、の場合もあり)人間が危機を脱するために戦う。
・共に戦う仲間は、敵である悪魔を交渉し仲間にした仲魔である。
今回は人間世界の危機を生み出した原因が
「人間の行き過ぎた繁栄」となっているのが興味深いですね。

戦闘システムやゲームシステムも出色の出来なのですが、
私が本シリーズに強く惹かれるのはその世界観のためです。

シリーズで前回私がプレイした作品は「真・女神転生III」でした。
IIIでは崩壊した東京の中で新たなイデオロギーを確立するという世界観であり、
その本質的に自由なストーリーが非常に興味を引きました。

プレーヤーは世界の方向を自分で選らび、
力を添えていくことになります。
あなたは悪魔に与し混沌を求めてもいいし、
悪魔を掃討し正義の世界を屹立してもいいし、
どちらでもない独自の中立の道を歩んでもいい。
いずれにせよ取るべきスタンスでストーリーの結末は変化します。
勧善懲悪で敷かれたレールをただ映画的鑑賞的に進むのではなく、
手探りで世界を探索し新たな世界を確立していくところが本当に楽しい。

たまにはここ以外の世界を旅し、世界の崩壊が迫った時に、
自分は何を求め何を選び何のために動くのか擬似体験してみる。
そのように仮想的なインターフェースで異なる世界を主体的に感じ、
より巨視的な視野で私が今居る世界を見つめなおす契機とすることが、
今も昔も地に足が着かない私にとって一番の休暇なのです。

2010年5月1日土曜日

湖を沸かすのではなく

GWの宿題として業務改善用の定量分析を行っております。
集めたデータをエクセルでコキコキ集計・加工しています。

分析はプロジェクトの初期工程であり
若年者が行う比較的労働集約的な仕事でありながら、
その成否は後工程への影響が決して少なくはない重要なものです。
キレのある的を押さえた分析を行うことで、
後工程である施策立案・施策導入の精度やスピード、
そして説得力が大きく増すためです。

■分析の目的
私自身よく陥りやすい点なのですが、
分析の目的はまっさらな地平から洞察を炙り出す、のではありません。
手当たり次第にデータをいじるのでは工数が掛かり過ぎて非効率であり
また終了すべきポイントも見えてこないためです。

分析はあらかじめ自分が持っている仮説を検証するために行います。

・仮説の方向性は正しいか
・仮説の精度(ファクトとの合致度)はどの程度か
・因果関係は正しいか
 (逆因果や相関関係、第三因子の影響ではないか)

などの点を検証するために、

・観察事項の構成要素
・構成要素の構成比率
・構成要素の時系列変化
・2や3を他の事項と比較した際のGap

を確認していきます。

上記の目的を外して網羅的・発散的に分析をしてしまった時、
先輩から 「君は湖を沸かそうとしているんだよ。」と言われました。
分析に関して、これ以上に的確な指摘があるでしょうか。
相手が欲しがっているのはカップ一杯の紅茶で、
今必要なのはカップ一杯分のお湯なのに。