2014年8月17日日曜日

All You Need Is Kill (Manga)

ハリウッド映画版の公開という大分ミーハーなタイミングだが、Kindleであったのでとりあえずマンガ版を読んでみた。戦争(闘争)、恋愛そして根底にあるループからの脱出という三要素が綺麗にまとまっておりテンポ良く楽しめた。

ループものに関して、最近のものでは本作を含め3つの代表的な作品(まどマギ、シュタゲ)を視聴/読了した経験があるが、この系統の大まかな流れは以下のような感じなのだと推察される。

1.主人公あるいはキーパーソンに著しく不利益を及ぼす状況(逸失利益含む)が迫る
2.ループによって回避する
3.より良い方向に状況を変えるためにループを濫用する
4.当初の不利益は回避するが、予期しなかった新たな不利益が生じる
5.他のループしている者と出会う
6.ループの発生条件を整理し、帰納的に原因を特定する
7.重要なトレードオフを伴う決断を経て運命は収束し、ループを脱する(了)

そして、雑な括りだがループは手法上以下の3つに大別されるようだ。
A.タイムトラベル型:過去に物理的(?)に遡行し過去のあるポイントからやり直す
B.メッセージ型:過去にメッセージを送り過去の行動を変えることで現在以降を変える
C.クリア条件型:AやBとは異なり能動的に発生させることはできず、解除条件が第三者により設定されており、条件を満たすまで強制的にループが続く

まどマギはA、シュタゲはB、本作はCといったところか。言うまでもなく話のキモはループの発生/解除条件であり、そして選択される運命とそれに伴うトレードオフがドラマ性を生む。この2点の作り込みが作品のクオリティを左右する。

そのようなわけでループものは構造が綺麗な話が多くゲーム感覚で楽しめ、割りと好きだ。
分岐図とかできそうだし、構造的な思考を好む人が惹かれるのではないかな。

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桜坂洋 竹内良輔 安倍吉俊 小畑健

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