2012年8月13日月曜日

a bit like you and me...

奈良美智さんの個展"a bit like you and me..."がとても心に響いた。

弘前の"A to Z"、小山登美夫ギャラリーの”セラミックワークス”以来の観覧。ブロンズからドローイングまで多種多様な作品が展示されていたが、中でも特に荒削りなだけに明確なエッジがある鉛筆描きのエスキースに惹かれた。

彼は個展に来てくれる人々をオーディエンスと言うけれど、会場はまさしくその通りのライブ会場に近い雰囲気だった。有名な展示だからとりあえず来てみたという人は少なく、彼の作品が好きで一つ一つの作品を食い入るように観ている若い人が多かったように思う。そんな訳で混雑も不快ではなかった。

Cuteながら通奏低音のように響くMelancholic/Frustratedなトーンに共感する。そして、2001年の個展"I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME."から今回の"a bit like you and me..."への作品との向き合い方の前向きな変化に感動する。

こういう作家自身の世界観を世に問う展示を観る度に、昔敬愛する作家さんに言われた「365日絵のことを考えて生きている」という言葉を思い出す。自分だけの世界観を磨く、深く継続的なコミットメントに強く憧れる。
諦めに揺れる自分を再起動させることができた。


彼と作品達に心から感謝。