2012年12月28日金曜日

営業の極意


最近少しずつ「営業」について学んでいるが、少し前のほぼ日に載ってた営業の極意がとても興味深かったので、一部抜粋し転載します。
当たり前のことかもしれないし、有益なノウハウを有していることは大前提としてあるだろうが、突き詰めると要諦はここかと。
対社外(お客さん)だけではなく、対社内にもでも同じ事が言えるかな。

「とにかく、そこにいる」
 
おもしろい相談が持ち上がっている場所に、いる。
困ったなぁとうんうん苦しんでいる場所にも、いる。
誰かと誰かが出会って、なにか起こりそうな場にいる。
孤独でさみしいような場面にも、そっといる。
いい考えが浮かんだ場所にも、聞いている立場でいる。
手が足りない場所には、もちろんいる。
 
いたら、なんでも頼みます。
頼んだことをやってくれたら、信頼が生まれます。
困った場面にいてくれたら、ありがたいと思われます。
そういうことを無数にくり返していると、
「いい仕事だから、あいつにやらせよう」となります。
それが、「営業の極意」なのだと

あと「とにかく、そこにいる」というワーディングも素晴らしいと思う。横文字業界に居ると「クライアントフェイシングタイムの極大化」とか言ってしまいがちだが、それでは半分も伝わらないし、残らない。もっとシンプルに言葉を砕いていかないと。

2012年12月3日月曜日

家電量販店は、製品軸ではなく消費者のライフスタイル軸で売り場を作るべき


久しぶりに家電量販店で買い物したが、提案力を強化する方向でストアコンセプトを改革する必要があると感じた。

ヒーター売り場で彼女がスマホで価格.comにアクセスし最安値を調べ、彼氏が店員と交渉するというツーマンセルのネゴシエーターのようなカップルを見たが、そんな消費者が普通に出てきているともう今の安値訴求型では厳しい。既に地域最安値の競争からオンラインの全国最安値を目指す競争になってる(dysonを海外ECサイトから個人輸入したうちの母にとっては、世界最安値か)。

しかし、そもそも比較されるネット店舗とは、駅前一等地の家賃負担や人件費負担があるためコスト構造が異なり、いくら調達力やリベートがあっても、限界利益が出せるプライスレンジが高い。頼みの綱のポイント制だって、純粋にキャッシュの安値で訴求しているECと比較する消費者サイドから見たら、買い物先を固定される枷でしかない。

ネット店舗と比較して、今、ここに現物があることが量販店の強みなのだから、ECと同じように単純に製品軸で売り場を構成するのではなく、IKEAのように、ライフスタイル別に家電を世帯単位のセットで提案するべきではないだろうか。
顧客接点である一階にそんなライフスタイルを提案するフロアがあり、それから製品を見に行くという動線でも良い。製品軸ではなく、消費者のライフスタイル軸に転換しなければならない。居住スペースを反映した世帯軸でも、デザイン感度を基にしたデザイン軸でも良い。
マンション住まいの単身世帯が欲しいものと二世帯住宅に住むおじいちゃんが欲しいものは異なり、Macユーザーでインテリアにこだわる消費者が欲しい家電と、DellのPCユーザーで部屋のスペース利用最適化にこだわる消費者が欲しい家電は違うはずだ。

ライフスタイルベースで家電を提案し、やがてビックロのように生活軸で部屋にある商品全てを統合して提案する。そのくらい売り場の付加価値を高めなければ、固定費負担が高い大規模店舗を抱える以上、量販店というビジネスモデルは早々に死亡してしまうのではないか。そんな危うさと変革の必要性を感じずにはいられなかった。

2012年12月1日土曜日

My activation code

自分の世界観と直結した、秘密の呪文のように大切にしている一節がある。追い詰められた時、心身共に疲弊した時、諦めに襲われた時に思い出し、マインドセットを立て直している。

以下に引用。

"あるいは僕は負けるかもしれない。僕は失われてしまうかもしれない。どこにもたどり着けないかもしれない。どれだけ死力を尽くしたところで、既にすべては取り返しがつかないまでに損なわれてしまったあとかもしれない。僕はただ廃墟の灰を虚しくすくっているだけで、それに気がついていないのは僕ひとりかもしれない。僕の側にかける人間はこのあたりには誰もいないかもしれない。「かまわない」と僕は小さな、きっぱりとした声でそこにいる誰かに向かって言った。「これだけは言える。少なくとも僕には待つべきものがあり、探し求めるべきものがある」
 それから僕は息を殺し、じっと耳を澄ませる。そしてそこにあるはずの小さな声を聞き取ろうとする。水しぶきと、音楽と、人々の笑い声の向こうに、僕の耳はその音のない微かな響きを聞く。そこでは誰かが誰かを呼んでいる。誰かが誰かを求めている。声にならない声で。声にならない言葉で。"
(「ねじまき鳥クロニクル 第2部予言する鳥編」/村上春樹)

今年は挑戦と勝利と敗北が織り交ぜられた、非常にハードな一年だった。来年もキツいだろうが、敗れ損なわれる予兆を感じても緩まず戦っていきたい。どんな場であろうと、どんな役割であろうと、自分自身が求める限り。