2012年12月3日月曜日

家電量販店は、製品軸ではなく消費者のライフスタイル軸で売り場を作るべき


久しぶりに家電量販店で買い物したが、提案力を強化する方向でストアコンセプトを改革する必要があると感じた。

ヒーター売り場で彼女がスマホで価格.comにアクセスし最安値を調べ、彼氏が店員と交渉するというツーマンセルのネゴシエーターのようなカップルを見たが、そんな消費者が普通に出てきているともう今の安値訴求型では厳しい。既に地域最安値の競争からオンラインの全国最安値を目指す競争になってる(dysonを海外ECサイトから個人輸入したうちの母にとっては、世界最安値か)。

しかし、そもそも比較されるネット店舗とは、駅前一等地の家賃負担や人件費負担があるためコスト構造が異なり、いくら調達力やリベートがあっても、限界利益が出せるプライスレンジが高い。頼みの綱のポイント制だって、純粋にキャッシュの安値で訴求しているECと比較する消費者サイドから見たら、買い物先を固定される枷でしかない。

ネット店舗と比較して、今、ここに現物があることが量販店の強みなのだから、ECと同じように単純に製品軸で売り場を構成するのではなく、IKEAのように、ライフスタイル別に家電を世帯単位のセットで提案するべきではないだろうか。
顧客接点である一階にそんなライフスタイルを提案するフロアがあり、それから製品を見に行くという動線でも良い。製品軸ではなく、消費者のライフスタイル軸に転換しなければならない。居住スペースを反映した世帯軸でも、デザイン感度を基にしたデザイン軸でも良い。
マンション住まいの単身世帯が欲しいものと二世帯住宅に住むおじいちゃんが欲しいものは異なり、Macユーザーでインテリアにこだわる消費者が欲しい家電と、DellのPCユーザーで部屋のスペース利用最適化にこだわる消費者が欲しい家電は違うはずだ。

ライフスタイルベースで家電を提案し、やがてビックロのように生活軸で部屋にある商品全てを統合して提案する。そのくらい売り場の付加価値を高めなければ、固定費負担が高い大規模店舗を抱える以上、量販店というビジネスモデルは早々に死亡してしまうのではないか。そんな危うさと変革の必要性を感じずにはいられなかった。

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