2012年12月1日土曜日

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自分の世界観と直結した、秘密の呪文のように大切にしている一節がある。追い詰められた時、心身共に疲弊した時、諦めに襲われた時に思い出し、マインドセットを立て直している。

以下に引用。

"あるいは僕は負けるかもしれない。僕は失われてしまうかもしれない。どこにもたどり着けないかもしれない。どれだけ死力を尽くしたところで、既にすべては取り返しがつかないまでに損なわれてしまったあとかもしれない。僕はただ廃墟の灰を虚しくすくっているだけで、それに気がついていないのは僕ひとりかもしれない。僕の側にかける人間はこのあたりには誰もいないかもしれない。「かまわない」と僕は小さな、きっぱりとした声でそこにいる誰かに向かって言った。「これだけは言える。少なくとも僕には待つべきものがあり、探し求めるべきものがある」
 それから僕は息を殺し、じっと耳を澄ませる。そしてそこにあるはずの小さな声を聞き取ろうとする。水しぶきと、音楽と、人々の笑い声の向こうに、僕の耳はその音のない微かな響きを聞く。そこでは誰かが誰かを呼んでいる。誰かが誰かを求めている。声にならない声で。声にならない言葉で。"
(「ねじまき鳥クロニクル 第2部予言する鳥編」/村上春樹)

今年は挑戦と勝利と敗北が織り交ぜられた、非常にハードな一年だった。来年もキツいだろうが、敗れ損なわれる予兆を感じても緩まず戦っていきたい。どんな場であろうと、どんな役割であろうと、自分自身が求める限り。

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