2010年11月20日土曜日

Win-Win

超氷河期と言われるほど激化している、昨今の就職活動。
・「就職内定率最悪、焦る学生 厳しい企業の目」/日経web(11/16)
・「就職内定率:過去最低 「ここまで長引くとは」せっぱ詰まる大学生」/日経web(11/17)
・「大卒内定率、最低の57.6%=「就職氷河期」下回る-10月1日時点」/時事ドットコム(11/16)

私が就職活動を行ったのは金融危機直前、いわゆる「売り手市場」の時でした。頻繁にかつ熱心に開催される様々な企業の説明会に足を運び、会社説明を拝聴する中で、悪い意味で最も印象に残ったのが「Win-Winの関係」という言葉でした。
「顧客やビジネスパートナーとWin-Winの関係を」という文句は当時業界問わず耳にした覚えがありますが、その軽薄な響きやそんな都合のいい取引なんてあり得るのか、という猜疑心から、どうしても好きになれない言葉でした。

しかし、就職して経験を重ねるとそんな認識が誤っていることに気づき、逆に改めてそのコンセプトの重要性を感じるようになりました。(相変わらず言葉としては全く好きになれませんが)

当時「Win-Winの関係」は「お互いが平等に得する関係」であるかと思っていましたが、そうではないのです。そもそも基本的に、マトモな商売であれば、片方が完全に得してもう片方が完全に損をするということはありえません。関係や取引が成立する以上、それは必ず「Win-Winの関係」なのです。
本当に重要なのは、どの程度のWinを得る、与えるかの配分を見極めることにあります。一見平等に見え(せ)て、実際に得られるWinの割合が当方:先方=7:3であっても、また逆であってもそれは「Win-Winの関係」なのです。短期的に稼ぐか長期的に稼ぐかという時間軸や、関係を成長させたいか収縮させたいかという期待度を考慮し、Winの配分を見極めること。幼稚だった当時とは違い社会人となった今、それは確かに、企業活動において非常に重要なコンセプトなのだと思います。

就職活動をしている学生の方は、企業の担当者から「弊社はWin-Winの関係構築を重視しています」と言われたら、「なるほど。例えば、それはどういった事業領域でどのような顧客とどの程度の関係構築に注力されているのでしょうか。私見では~かと思いますが、お聞かせ下さい。」
とでも答えてみて下さい。
斜に構え、心のなかで一笑に付していた当時の私などよりも、ずっと高い評価を得られると思います。

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