1.既存事業の収益性を高める
2.経営理念を明確にし組織に浸透させる
3.従業員の幸福を追求する
これらの中でも、1.と3.が気になりました。
1.既存事業の収益性を高める
「安易な多角化や新規事業に走る前に、財務体力をつけるために本業を高収益体質にする」、極めて健全で正しい考え方だと、改めて感じました。典型的な高コスト体質であるJALでどう実現させるか。
・目標(定量的):売上高税引き前利益率10%の実現。
・コンセプト
簡単に言ってしまえば売上-コスト=利益なので、徹底的にコストを抑え、競争が激化し売上が落ち込んでも利益が出せる体質にすることが、肝要と説かれています。本業で利益を出し財務的な体力をつける。それができなければ、存続は言うまでもなく、会社に継続的な発展をもたらす新規事業を立ち上げることもできなくなるからです。
・施策
勘定科目を細分化してコストを可視化し、少人数の採算管理単位である「アメーバ」にごとに損益管理し、PDCAを回すことが挙げられています。この点に関しては、別途アメーバ経営について深堀りした本でスタディしてみたいと思います。
3.従業員の幸福を追求する
著者の「全従業員の幸福のために会社は存在する」という考えは一周回って新しく響きます。旧来の教義である一株当たり利益の最大化が、今なお株式会社の至上命題なのだとしても、やはり前提として利益を生み出せる源泉が必要であり、それは優秀で会社への貢献意識の高い従業員なのではないでしょうか。直近のハーバードビジネスレビュー(2010年12月号)『人を潰す会社 人が輝く会社』で特集されているように、従業員の幸福なくして中長期的な繁栄はあり得ないと、改めて思います。
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