2013年2月3日日曜日

ポーター賞受賞理由から察する「ほぼ日」の成功要因

結構前の話になるが、2012年ポーター賞受賞企業に「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営している東京糸井重里事務所が選ばれた。下記にそのユニークなビジネスモデルが紹介されている。
http://www.porterprize.org/pastwinner/

従業員数48名というスリムな事業体ながら、広告配信も有料メルマガも行わず、ECのみで売上高28億円を稼ぎ出し、投下資本利益率で33.1%、営業利益率で12.1%も業界平均を上回る脅威のパフォーマンスを発揮している(2011年度)。


メインコンテンツである糸井重里氏自身の日記や特集記事は、隣人に語りかけるやわらかい文体とし、27文字目で改行する等の規則を設けてユーザビリティを高めているとのこと。

結果、月間110万もの訪問者数を誇る人気サイトとなっている。日々発見がある居心地の良い場所を提供して、自分たちと価値観の合うユーザーを集め、ちょっと生活が良くなる高品質な商品を提供している。

プロジェクトの予算管理を行わない、定例会議を行わない、業務命令も行わない、といった柔軟で従業員の自発性に任せたオペレーションも興味深い。「動機、実行、集合」の全てが揃っており、社内にあるだけでなく、それぞれが社会とつながっていること。それがプロジェクトの原則とのことだが、非常に納得感がある。

自分たちがいいと思うことを、いいと思ってくれる人に語りかけ、いいと思うものだけを売る。商売の考え方としては、いわゆるECサイトよりも昔ながらの地場産業に近い。

「日常に根ざしていること、人は何を嬉しいと思うか」
収益性や市場環境に惑わされず、この問いかけを愚直に繰り返している企業文化こそが、競争優位性の源泉なのだろう。

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