一日一つくらいは仕事に(直接的には)関係無いリサーチペーパーを読まなければ、知見が深まらなくて成長しないなと思うので、取りあえずホットなこのテーマから。A.T. Kearneyより。
ビジネスとして成り立たせるための論点として、以下二点が挙げられていることが興味深い。
・価格設定:消費者にとっては値ごろ感。出版業者にとっては採算性
・アクセシビリティ:消費者にとってはコンテンツへのアクセス環境、出版業者にとっては広範な流通性
中でも価格設定は、全ての戦略の帰結が現れるため注視する必要がある。イニシアティブを持つのはプラットフォームと配信端末を押さえたディストリビューターなのか、それともコンテンツを生み出す出版業者なのか。この点は技術仕様やビジネスモデルによって変わってくる。前者に関して、ディストリビューターの寡占があるならばディストリビューターが持ち、オープン化して差別化できないならば出版業者が持つ。また後者に関して、単なる従来の小売のような書籍販売ではなく、プラットフォームの広告配信で稼ぐモデルも存在する。環境を動かすドライバーが多く動向の予測は難しい。
また、当然、電子書籍が主流となれば出版業者のオペレーションも大きく変わる。新たに注力しなければならない業務として、以下のものが言及されている。
・編集部門:どのコンテンツをどのプラットフォームに発信するか検討
・IT部門:コンテンツの配信フォーマットを検討
・法務や出版部門:デジタル著作権管理や配信契約に留意
・営業部門:クロスセルの最大化を目標とした活動
・流通、企画部門:従来の読者層を超えた顧客の定義とマネジメント
個人的に、このようなオペレーションが浸透するための組織改革が、既存の出版社が電子書籍に対応するにあたっての最大の壁なのではないかと考えている。誰よりも本という媒体が好きな人々が集まった出版社は、電子書籍時代の到来に最も強い拒否感を抱いている人々であろう。
活版印刷以来の書籍革命。
だからと言って特殊な業界の特殊なイノベーションの一例としてではなく、ハードからソフトへという大きな流れの一つと捉えると、学ぶところが多いと思う。
2011年2月26日土曜日
2011年2月12日土曜日
戦略管理会計
タイトルから推測されるような実務的な経営戦略の文脈で管理会計を語る(戦略立案のインプット、あるいはフィードバックとして)形ではなく、管理会計の各トピックと、経営戦略のフレームワークを並べてまとめた教科書的な構成となっている。
実務視点で血肉ある知識を深めるというよりは、経営管理に初めて取り組む人やCPAのBECを勉強する方が、管理会計と関連分野の全体像をざっくりと把握する際に有用。
実務視点で血肉ある知識を深めるというよりは、経営管理に初めて取り組む人やCPAのBECを勉強する方が、管理会計と関連分野の全体像をざっくりと把握する際に有用。
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2011年2月7日月曜日
森博嗣の道具箱
大学の教官としてでもなく、小説家としてでもない、エンジニアとしての森先生による工作のための道具論。何かに取り組むにあたって最も抵抗が大きいのは最初の一歩、腰を上げる時である。そして、良い道具はそのためのやる気を喚起してくれる。そこに良い道具最大の価値がある。
この点非常に納得するが、始めから良い道具を揃えることで、初期投資が嵩むこと、そして私の場合特に、道具を揃えた時点で満足してしまいがちなこと、この二点は負の側面か。最も、初期投資の多さは長続きしかつ道具の稼働率が高い水準を維持出来れば問題ではないのだが。そうなると真の課題は長続きしないことか・・・。
傍らに控え、いつも鼓舞し、長い間前進させてくれる最良のパートナーとして、素晴らしい道具を選び使うことの重要さを再確認。
この点非常に納得するが、始めから良い道具を揃えることで、初期投資が嵩むこと、そして私の場合特に、道具を揃えた時点で満足してしまいがちなこと、この二点は負の側面か。最も、初期投資の多さは長続きしかつ道具の稼働率が高い水準を維持出来れば問題ではないのだが。そうなると真の課題は長続きしないことか・・・。
傍らに控え、いつも鼓舞し、長い間前進させてくれる最良のパートナーとして、素晴らしい道具を選び使うことの重要さを再確認。
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2011年2月6日日曜日
論点思考
「論点」が仕事上の最頻出ワードとなりつつある状況を受け、改めて再読。
・そもそも、正しい問いに答えているか? という問題意識を持つ
本書中でドラッカーの言葉、"The most serious mistakes in the world are not being made as a result of wrong answers. The truly dangerous thing is asking the wrong questions"を引いて問題提起しているように、間違った問いに答えることは、問題解決プロセスにおいて最も大きな過ちとなる。結果誤った方向に走りだすこととなり、成果は上がらないまま、時間、労力、カネをロスしていくこととなる。解くべき問題を見極め論点として設定することが、問題解決の出発点であり成否を決める鍵となる。
・インパクトと実行可能性の二軸で筋の良さを見極める
解いても効果が乏しい論点は取り組んでも旨みがなく、そもそも解決できない論点は取り組んでも徒労に終わってしまう。なので限られたリソースで、今、解くべき問題は何なのかを見極めることが必要となる。
経験ベースで判断できる感覚を磨いていくことが重要と説かれているが、私のようにまだ十分鼻が効かない身では、インパクトは条件設定した上での定量的な試算で見極め、実行可能性は取り組んだ経験の多寡や関連ステークホルダーとの調整度合(部門内調整<部門横断的調整<関係会社間調整<所管官庁調整)によって見極める形となるか。このプロセスを通して取り組む優先順序付けを行う。
・論点を大論点、中論点、小論点、といったレベルに構造化し論点をチェックする
営業利益の向上、といった論点設定ではレベルが高すぎて施策まで落ちない。その大論点を受けた中論点として、トップラインの向上(もしくはコスト削減)、更に小論点として新規顧客売上高の向上(もしくは物流コストの削減)といったレベルまで落とす。こういったイシューツリーによる問題解決アプローチは特に目新しいものではないが、本書では小論点から中論点、大論点へとレベルを上げてチェックする、という逆のアプローチが挙げられている。
確かに、実務上大論点からバラして全て綺麗に小論点、施策まで落とせるかというと無理があると感じるし、また時間的制約上すべきでもないだろう。全体観を持って虫食いのツリーを作ることをイメージし、筋が悪いと思ったらレベルを上げて論点を再考する。そうやって解決への筋道を立てていく。
ところで、本書で示している思考法は、プロジェクトのアプローチ設計というレベルだけではなく、日々の仕事というレベルにおいても活かすことができると思う。最近特に痛感する、「今何を考え取り組むべきか」ということの難しさ・・・。やることが定まればあとは走るだけなのだから、やはりやることを決めるのに最も注力しなければならない。弓道において、矢を放つ「離れ」それ自体よりも、狙いを定める「会」までの精度が的中を決めるように。
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2011年1月30日日曜日
遠藤利三郎商店ワインセミナー第一回
押上の名ワインバー、遠藤利三郎商店のワインセミナーに参加。
飲み歩いていた大学時代、女性を口説くためにワインの薀蓄を披瀝する大人を見てから、「ワインの知識」そのものに対しても嫌悪感を持っていた。しかし、時を経て自分も大人の一人となりその悪い印象も薄れてきたのか、知らないよりは知っているほうがより酒飲みとしての楽しみが増えるだろうと思い参加することに。
第一回ということで、様々なワインを試飲しつつそれぞれの違いからワインの奥深さを知る構成。グラス9杯という大盤振る舞いのおかげで、それぞれのワインをじっくり味わうことができた。
・シャンパン
"ピオロ キュヴェ・ド・レゼルヴ"
(フランス/シャンパーニュ)
「シャンパン」とはフランスのシャンパーニュ地方で正式な規則に則って作られたワインを指す。色が白いワインは白ぶどうのみから作るものだと思っていたが、黒ぶどうも入れて作るらしい。(色素が着く前に皮を取り除くため色がつかない)
・赤スパークリングワイン
"ブリーズデール スパークリングシラーズ"
(オーストラリア/ラングホーン・クリーク)
初めて飲む「赤の」スパークリングワイン。何しろ無知なのでスパークリングワインはワインに炭酸を加えて泡立てるのだと思っていたが、実はワインを二次発酵させることで炭酸ガスを発生させて泡を加える。赤はタンク内、白(シャンパン含む)は瓶内発酵が多い。
・白ワイン
"エルデナー・トレプフェン・リースリング・アウスレーゼ"
(ドイツ/モーゼル)
「キューピー人形の匂い」とまで言われる特徴的な香りを持つリースリング種。言われてみると確かにそんな香りがする気も・・・。軽く酸味のある甘さ。甘さとアルコールは発酵の度合いで変わるということを学ぶ。(発酵は糖を消費してアルコールにするので、発酵が抑えられると甘さが残る)
"ブランド・ノワール・シュペートブルグンダーQbAトロッケン"
(ドイツ/ファルツ)
何と、黒ぶどう(ピノ・ノワール種)100%で作った白ワイン。そのため渋味があり味わい深い。下記のロゼや赤も同じピノ・ノワール100%。同じ葡萄なのに醸造過程の違いで白、ロゼ、赤となるとは・・・。奥が深い。
・ロゼ
"シャトー・ジェルマン・ブルゴーニュ・ロゼvv"
(フランス/ブルゴーニュ)
ロゼは甘いという認識があったが、しっかり発酵した辛口。
・赤
"ニュイ・サン・ジョルジュ"
(フランス/ブルゴーニュ)
渋味がありつつも軽く優雅な味。
・酒精強化ワイン
ワインにブランデー等アルコール分の高いお酒を混ぜて作る。空けてから半月飲めるほど持ちが良い。
"リヴザルト"
(フランス/ラングドック・ルーション)
カラメルのように甘い。デザートとして飲める食後酒。
"レア・アモンティリャード・エスクアドリラ"
(スペイン/ヘレス)
対してこちらは辛口。食後キリっとシメる時に相応しい。
"ピノー・デ・シャラント"
(フランス/コニャック)
シロップのように甘い。こちらもデザート感覚か。
こういった様々なワインを、店長のシニアソムリエ林さんのご説明を拝聴しながら飲むという贅沢。決してドイツだから甘い、白だから辛口、といった単純なものではなく、複雑で豊かな世界ということを実感した。地域、品種、生産者、醸造過程、年代、全てが変数となって複雑に影響して眼前の一杯となっていると思うと、しみじみとした感動を覚える。
・多様なワインを知ることで味覚のストライクゾーンを広げる
・安くて美味しいワインを知る
そんな身近な目的の下開催されたこのセミナー。参加を通じて、私自身にとってもワインを身近なものにしていきたい。
飲み歩いていた大学時代、女性を口説くためにワインの薀蓄を披瀝する大人を見てから、「ワインの知識」そのものに対しても嫌悪感を持っていた。しかし、時を経て自分も大人の一人となりその悪い印象も薄れてきたのか、知らないよりは知っているほうがより酒飲みとしての楽しみが増えるだろうと思い参加することに。
第一回ということで、様々なワインを試飲しつつそれぞれの違いからワインの奥深さを知る構成。グラス9杯という大盤振る舞いのおかげで、それぞれのワインをじっくり味わうことができた。
・シャンパン
"ピオロ キュヴェ・ド・レゼルヴ"
(フランス/シャンパーニュ)
「シャンパン」とはフランスのシャンパーニュ地方で正式な規則に則って作られたワインを指す。色が白いワインは白ぶどうのみから作るものだと思っていたが、黒ぶどうも入れて作るらしい。(色素が着く前に皮を取り除くため色がつかない)
・赤スパークリングワイン
"ブリーズデール スパークリングシラーズ"
(オーストラリア/ラングホーン・クリーク)
初めて飲む「赤の」スパークリングワイン。何しろ無知なのでスパークリングワインはワインに炭酸を加えて泡立てるのだと思っていたが、実はワインを二次発酵させることで炭酸ガスを発生させて泡を加える。赤はタンク内、白(シャンパン含む)は瓶内発酵が多い。
・白ワイン
"エルデナー・トレプフェン・リースリング・アウスレーゼ"
(ドイツ/モーゼル)
「キューピー人形の匂い」とまで言われる特徴的な香りを持つリースリング種。言われてみると確かにそんな香りがする気も・・・。軽く酸味のある甘さ。甘さとアルコールは発酵の度合いで変わるということを学ぶ。(発酵は糖を消費してアルコールにするので、発酵が抑えられると甘さが残る)
"ブランド・ノワール・シュペートブルグンダーQbAトロッケン"
(ドイツ/ファルツ)
何と、黒ぶどう(ピノ・ノワール種)100%で作った白ワイン。そのため渋味があり味わい深い。下記のロゼや赤も同じピノ・ノワール100%。同じ葡萄なのに醸造過程の違いで白、ロゼ、赤となるとは・・・。奥が深い。
・ロゼ
"シャトー・ジェルマン・ブルゴーニュ・ロゼvv"
(フランス/ブルゴーニュ)
ロゼは甘いという認識があったが、しっかり発酵した辛口。
・赤
"ニュイ・サン・ジョルジュ"
(フランス/ブルゴーニュ)
渋味がありつつも軽く優雅な味。
・酒精強化ワイン
ワインにブランデー等アルコール分の高いお酒を混ぜて作る。空けてから半月飲めるほど持ちが良い。
"リヴザルト"
(フランス/ラングドック・ルーション)
カラメルのように甘い。デザートとして飲める食後酒。
"レア・アモンティリャード・エスクアドリラ"
(スペイン/ヘレス)
対してこちらは辛口。食後キリっとシメる時に相応しい。
"ピノー・デ・シャラント"
(フランス/コニャック)
シロップのように甘い。こちらもデザート感覚か。
こういった様々なワインを、店長のシニアソムリエ林さんのご説明を拝聴しながら飲むという贅沢。決してドイツだから甘い、白だから辛口、といった単純なものではなく、複雑で豊かな世界ということを実感した。地域、品種、生産者、醸造過程、年代、全てが変数となって複雑に影響して眼前の一杯となっていると思うと、しみじみとした感動を覚える。
・多様なワインを知ることで味覚のストライクゾーンを広げる
・安くて美味しいワインを知る
そんな身近な目的の下開催されたこのセミナー。参加を通じて、私自身にとってもワインを身近なものにしていきたい。
2011年1月27日木曜日
異業種競争戦略
非常に無駄の無い本。柔らかな語り口ながらも、「異業種から(へ)の参入」について考察するために必要な視点やツールが一揃い納められている。深みを捨てて網羅感と分かりやすさを取った構成の妙もあり、とても効率よく内容を頭に入れることができる。
要は、これまでのように会社の主観的な都合で事業領域を決めるのではなく、顧客のアクティビティや視点を起点に、よりマクロな視点で業界全体を捉え(事業連鎖)自社の位置付けを再定義し、事業環境の変化に対応していくべき、ということ。
あくまでツール(視点)集として位置づけるべき本なので、過去だけではなく、今起こっている異業種競争のケースに対して本書をリファレンスとして思考してみると、より言わんとしていることへの理解が深まると思われる。
要は、これまでのように会社の主観的な都合で事業領域を決めるのではなく、顧客のアクティビティや視点を起点に、よりマクロな視点で業界全体を捉え(事業連鎖)自社の位置付けを再定義し、事業環境の変化に対応していくべき、ということ。
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2011年1月22日土曜日
森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!
身の回りで当たり前に駆動している機械や現象も、はとそのメカニズムに思いを馳せると不思議に満ちていることに気づく。なぜ電車は曲がることができるのか、なぜヘリコプタは前進できるのか、なぜブーメランは戻ってこれるのか・・・。本書ではそういった疑問に、主に力学的な観点で真正面から答えている。
可愛らしいレイアウトや奥様のポップでレトロなイラストのためか一見平易な本に思えるが、その中身たるや中々しっかり作られており、純文系の私には少々キツく感じるパートもあった。
身近で「普通に」動いているものにも、実は意図と計算と工夫と試行錯誤が潜んでいる。個々のナレッジ以上に、そんな視点を得られたことが最大の収穫。
| 森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります! (講談社文庫) 森 博嗣 講談社 2011-01-14 売り上げランキング : 325858 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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