2011年2月6日日曜日

論点思考

「論点」が仕事上の最頻出ワードとなりつつある状況を受け、改めて再読。

・そもそも、正しい問いに答えているか? という問題意識を持つ
本書中でドラッカーの言葉、"The most serious mistakes in the world are not being made as a result of wrong answers. The truly dangerous thing is asking the wrong questions"を引いて問題提起しているように、間違った問いに答えることは、問題解決プロセスにおいて最も大きな過ちとなる。結果誤った方向に走りだすこととなり、成果は上がらないまま、時間、労力、カネをロスしていくこととなる。解くべき問題を見極め論点として設定することが、問題解決の出発点であり成否を決める鍵となる。

・インパクトと実行可能性の二軸で筋の良さを見極める
解いても効果が乏しい論点は取り組んでも旨みがなく、そもそも解決できない論点は取り組んでも徒労に終わってしまう。なので限られたリソースで、今、解くべき問題は何なのかを見極めることが必要となる。
経験ベースで判断できる感覚を磨いていくことが重要と説かれているが、私のようにまだ十分鼻が効かない身では、インパクトは条件設定した上での定量的な試算で見極め、実行可能性は取り組んだ経験の多寡や関連ステークホルダーとの調整度合(部門内調整<部門横断的調整<関係会社間調整<所管官庁調整)によって見極める形となるか。このプロセスを通して取り組む優先順序付けを行う。

・論点を大論点、中論点、小論点、といったレベルに構造化し論点をチェックする
営業利益の向上、といった論点設定ではレベルが高すぎて施策まで落ちない。その大論点を受けた中論点として、トップラインの向上(もしくはコスト削減)、更に小論点として新規顧客売上高の向上(もしくは物流コストの削減)といったレベルまで落とす。こういったイシューツリーによる問題解決アプローチは特に目新しいものではないが、本書では小論点から中論点、大論点へとレベルを上げてチェックする、という逆のアプローチが挙げられている。
確かに、実務上大論点からバラして全て綺麗に小論点、施策まで落とせるかというと無理があると感じるし、また時間的制約上すべきでもないだろう。全体観を持って虫食いのツリーを作ることをイメージし、筋が悪いと思ったらレベルを上げて論点を再考する。そうやって解決への筋道を立てていく。

ところで、本書で示している思考法は、プロジェクトのアプローチ設計というレベルだけではなく、日々の仕事というレベルにおいても活かすことができると思う。最近特に痛感する、「今何を考え取り組むべきか」ということの難しさ・・・。やることが定まればあとは走るだけなのだから、やはりやることを決めるのに最も注力しなければならない。弓道において、矢を放つ「離れ」それ自体よりも、狙いを定める「会」までの精度が的中を決めるように。

論点思考論点思考
内田 和成

東洋経済新報社  2010-01-29
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